舌のホームポジション

2018/8/12

舌のホームポジション

当学会では「舌のホームポジション」を提唱しています
 舌尖(舌の先)を常にスポットポジションにつけ、舌全体を上の歯列弓の中に収めておかないと、歯並びは押しつぶされてしまうというのがMFTの教えでしたが、当学会からは舌のホームポジションを提案しています。それは舌全体を持ち上げて、上あごの窪みの中へ舌全体を押し込めておくことです。ただし、舌の中央部は力を抜いておきます。

 なぜ舌のホームポジションをわざわざ提案するかというと、舌尖をつけておくべきスポットの位置(解剖学的には「切歯乳頭」と呼ばれる場所のすぐ後ろ)が分かりづらいからです。けれども舌を上あごの窪みの中に入れさえすれば、誰でも簡単に正しいスポットの位置に舌尖をつけることができるので、当学会では「窪みの中へ」をあえて提唱しているのです。

 そして「窪みの中へ」で舌の意識を歯よりも上あごの骨に向けてもらいたいからです。すると舌が本来の機能を発揮し、歯並びにも美容にも、より良い結果が得られるからです。ぜひ舌全体を上あごの窪みの中に納める事を覚えてください。


ホームポジションへの舌の入れ方
 舌全体を上あごの窪みの中へ上あごに貼り付ける様に押し込んでから舌の中央部の力を抜けば、舌はまさに吸盤となって上あごに張り付きます。あるいは、舌のたて巻きと横巻きを同時にすると舌の表面はお椀状になります。そしてそのまま舌を上あごに押し付けても、舌はやはり吸盤状になって上あごに張り付くことになります。

 いずれにせよ、舌を上あごにくっ付ける時には中央部の力を抜いておくことがポイントになります。こうすれば、舌が張り付きやすくなるという理由もありますが、こうしておかないと、喉仏が上がりすぎて息苦しくなるからです。この現象は飲み込み(嚥下)と深い関わりがありますので、いずれ詳しく解説しましょう。


自分ができないとという理由で怒り出す人さえいますが……
 ところが、中にはできない人もお見えかもしれませんが、舌のトレーニング方法も取り上げて行きますので、いま自分ができないからと言って「そんな馬鹿な、納得できない」と怒り出すようなことはことはしないでくださいね。


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「上あごの窪みの中に舌を収めると、舌が前歯と離れてしまいますが、大丈夫ですか?」

アーチ形状

 舌を上あごの窪みの中に舌を入れると、前歯に舌が直接当たらなくなりますので、前歯が唇によって潰されてしまう様に思えますが、大丈夫です。一つには歯並びは基本的にアーチ形状だからです。アーチ形状は上からの力を横へ分散することができるので、石造りの西洋建築の出入り口はアーチ形状になっていますし、現代でも鉄骨をアーチ状にして橋桁に応用されています。それらと同じ原理で、歯並びのアーチ形状は唇からの力を頬の方へ逃がすことができるため、舌が前歯を直接うち支えする必要はないのです。

 また舌の先の形は人ぞれぞれなので、例えば舌の先が尖っている人が、前歯を直接押してしまうと、却って歯並びが悪くなってしまうことがあります。また舌が前歯を直接押せば前歯の先が前へと傾いてしまいます。すると上下の前歯がかみ合わなくなる恐れがあります。むしろ前歯の先は唇から押されて、上下の前歯がゆるく噛み合っていた方が良いのです。ですから、舌は前歯に直接くっつかずに前歯の後ろの骨を舌が押して、前歯の先だけではなく前歯全体を押し出すように舌を使った方が全てがうまく行くのです。


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「上の前歯の裏に、直接舌がくっつくのが正しい位置ではないのですか?」
 ネットや雑誌、あるいは書籍に、舌尖を上の前歯の裏にくっつけておくのが正しいと書かれていることがありますが、残念ながらそれは間違っています。ここにMFTの書籍からイラストをここに引用させていただきましたが、そこにも前歯の裏に舌尖をつけろとは書かれていません。多分、MFTの話を聞きかじって一部の先生方が勘違いされてしまったようです。その中には著書多数でマスコミからも取材を受けるようなカリスマ先生もお見えになりますので、ご注意ください。

 MFTそのものは、アメリカで100年の歴史があるのですが、日本で認識され始めたのは21世紀になってからですので、まだ知らない歯科の先生もいるほどですから、思い違いもやむおえないかもしれないのが現状です。ともかく、舌の正しい位置はMFTのどの教科書にも書かれていて、決して舌が直接前歯の裏に触れてうち支えするわけではないことは誰でもすぐに調べることができますし、そんなことをすれば却って歯並びが悪くなります。ですから、立派な肩書きを持つ先生や有名なカリスマ先生だからと言って、鵜呑みにしないでください。


「なぜ舌が挙がっていない人がいるのか?」
 これは当学会の課題の一つです。つまりまだよくわかっていないのですが、人間は生まれ出てから授乳を通して舌を鍛えて上あごにくっつく力を養い、さらに人間は舌を利用してよく噛んで食べることを通して舌の力を養っていくものです。ところが、その昔は3年間が普通だった授乳期間が、今では一年半とされましたし、食べ物もこの半世紀で極めて柔らかくなってしまったなど懸念される材料は色々あります。


歯並びは遺伝するのか? ⬅️➡️(次ページ製作中)

スポット・ポジション

 解剖学的には中切歯の後ろにある切歯乳頭と呼ばれる場所です。この切歯乳頭は中切歯の後ろの生え際(歯頸)と少し距離がありますので、舌は直接前歯とは接触しないのです。

舌のホームポジション

 スポット・ポジションはわかりづらいので、等学会の初代会長(山下久明)により舌のホームポジションが提唱されました。これは上あごのくぼみの中に舌の先だけではなく、舌全体を押し込むとするものです。すると、舌の先がちょうどスポット・ポジションにあたるだけではなく、全体を押し込むことによって舌の機能が十分に引き出されるのです。このサイトに挙げられていることは、舌がそのホームポジションにあることを前提として書かれています。
reference
 NewRiverBridge West virginia
 アーチ
 はじめる・深めるMFT―お口の筋トレ実践ガイド(13ページ 図1 図2)
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